
実はですねぇ~。
個人的に三池(崇史)監督はあんまり得意ではないのです・・・orz
基本、バイオレンスでしょ??
で、そんなバイオレンス、みんなにみせてどうする??
みたいなぁ~(7割方、偏見(爆))
ってことで、
この作品 『一命』 も まーったく期待せずに観たのです。
一種の時間つぶし^^
オープニングの重々しい雰囲気。
音楽:坂本龍一って出たところで、
教授の音楽のいいところ、こんな時代劇の重々しい雰囲気の映画でだせんの??
みたいな 高のくくり方。
キャストを示す書体も、またまた重々しく、
ドアップでみせる黒牛を描いた屏風画とか
赤備えの甲冑とか、
雰囲気出してるけど、重たいなぁーと思って。
やっぱ、失敗したなぁー。と思ったの。
正直ね。
ほんとに切腹させられたシーンも痛々しくて
目を背けたし。
観るんじゃなかった・・・。
って思ったのは、実はそこまでで・・・。
市川海老蔵演じる津雲半次郎が
なんだか、お話にのめりこんでしまいました。
お家取り潰しに関わる不幸な話。
仕えていた大名家がお家取り潰しの目に遭い
貧しい浪人生活を送る羽目になった求女。
武士としてのプライド。
しかし病気の妻子をなんとか救いたいという願い。
別に江戸時代の浪人だから、というだけの不幸さではなく
もしかしたら 現代にも通じることがあるかもしれない貧困。
ぐげぇ~。
これは、相当、痛々しいなぁ~。と思って。
目を背けられない恐ろしさだなぁ。と思って。
のめりこまずにはいられなかった。
お話に入っていかざるを得なかった。
そんだけ、
映像にもストーリーにも迫力が満ちていて・・・。
観るんじゃなかった・・・。 なんて言えないくらいの。
観るんじゃなかった・・・。 じゃ、ないですね。
少し、観れてよかった・・・。 そのぐらいの感じ^^。
でもねー。
だからと言って、作り手側の主張、哲学が完全に腑に落ちたか?
と言えば、そんなことはないのですよ。
武士のオモテ面だけの面目なんて、くだらない!!
その主張はよくわかるんですよ。
ほんとに切腹させなくても・・・とは。
でも、若干、詐欺まがいの罪を
確信犯的に犯している若者に
騙されていることを承知で甘い顔をみせることは
ほんとにそれはそれで行いとして正しいの!?
と、時代考証を全く無視して 私などは思ってしまうのですよ。
正直、海老蔵(演じる半次郎)が行っていることは
一種の逆ギレじゃーーん!!ヾ(≧▽≦*)ヾ
押しかけられる方は押しかけられる方で大変なんだから、
それを完全な"悪"とは、僕にはちょっと言い切れなくて・・・。
切腹させたからダメ??
ほんと??
でも、こんなのいつまでも見逃してたら
いつまでたっても 押しかけは収まることを知らないよ。
甘い顔ばかりしていたら、いつ立場が逆転するかもしれないよ。
そんなこんなを考えてたら、
この映画、完全な勧善懲悪志向とは個人的には思い込めなかったため、
やっぱり、哲学を語るのは難しいなぁーと思ったりしたのでした。
それでも敢えて言うならば、
(個人的意見w)
私利私欲で藩をお取り潰しにした
徳川家が悪いんじゃないかい??
時代、社会が悪いんじゃなくて、
私利私欲満開の徳川家が悪いんでないかい??
っていう感じ。
あとは、最近の大河の流れで
徳川家、最悪!!
↓
幕末の討幕運動 最高!!
↓
家康は、まじ たぬき!!
と、これまた この映画とは全く関係のない話に
個人的意見は飛び火してしまうのでありました。
やっぱ、ダメじゃん(笑)
役者さんは、
「それでも、生きていく」の
この映画では夫婦役で出演されていて、
やっぱり演技がうまく、
不幸な役を、絶妙に不幸に演じられてました。
演技うまい人が出演する作品は
どんな作品でも、その作品が締まってみえるから、これまた不思議☆
加えて、海老蔵クンね。
プライベートの海老蔵クンはどんな人かよく知りませんが(笑)
役者としての海老蔵クンは、
やっぱ迫力があって、一流的オーラがプンプンです。
作品が締まるなぁ~。
ってことで、結論!!
この映画、時間つぶし以上に、なかなかに見応えのある作品です。
おもしろい、おもしろくないは別にして、
観て損はない作品なんではないでしょうか。
※
「おっしゃられてる武士の面目。どうお考えか!??」
「くだらん。実にくだらん。」