幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

四月のさかな(Sunday Play #1)

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『四月のさかな』

フランス語でいうところの エイプリル・フール。なんだって。
「四月のさかな」って。
そしてフランスではこの日に愛の告白をするらしい。
実らなくても 嘘で済ませられるから。

先週、日曜 HEP HALL に観に行ったお芝居。
劇団☆世界一団 改め sunday の #1。
キャッチコピーは
『3日前、僕は彼女を誘拐した。だけど彼女がいったい誰なのかはわからない。』

切ないお話でしたね~。なんとなく。
9月にチケットを買って ずっと楽しみにしていたからだろうか?
それとも 一人で観に行ったからだろうか?

物語の序盤から 舞台を覆う切なさに引き込まれながら
2時間半、飽きもせず ずっと観入ってしまいました。



時は10月1日。
場所は とある海辺の家の庭。

庭に置いた椅子に座りながら ラジオを聴く青年と
海辺の家の軒先で座る少女。
少女は3日前、青年が誘拐してきた少女らしい。

青年はラジオでニュースを聞く。新聞を調べる。
でも誘拐事件の記事はどこにも書かれてない。

青年は彼女に名前を聞く。
でも彼女は自分が誰なのかわからない。
どうやら記憶がないらしい。
青年は彼女に「灰かぶり」という名前をつける。
そしてまたニュースを調べる。

舞台には「灰かぶり」にしか見えないモグラ男が砂に埋められている。
そして、神様が休暇をとる10月(神無月)に休暇をとって海辺の庭にやってきた神様。
神様もまた「灰かぶり」にしか見えないらしい。

青年の家の勝手な居候男は「灰かぶり」をネタに身代金で稼ごうと企てている。
そこに郵便屋さんが 隣の家の小津さんの荷物を預かって欲しいと頼みにやってくる。
郵便屋は青年に見慣れない少女は誰なのか?と尋ねる。
青年は「遊びに来ている妹だ」と答える。
「ただ、妹は精神的な病に侵されているので、あまり口外はしないように」と頼む。
その病の名はドラマ性ロマンティック症候群。
もちろん嘘の病名。

「灰かぶり」は屋根の上で神様のギターにあわせ歌う。
勝手な居候男は 青年がいない間に 郵便屋から青年が預かった荷物を勝手にあける。
「ちぇっ。ちくわかよ!」
青年は帰ってきて、荷物があけられているのにびっくりする。
そして「灰かぶり」に ちくわ星人の話をする。
ちくわ星人はちくわのカタチをしていて 地球にやって来たはいいが ちくわのカタチをした宇宙船が壊れて
ちくわ星に帰れないのだ。と。

10月1日。
記録的な嵐が近づいて来ていると気象ニュースは言う。
青年は灰かぶりを家の秘密の地下室に隠す。
居候男は自販機の前で出会ったと言う見知らぬ男を青年の家に連れてくる。
「こいつ、むっちゃキアヌ・リーブスに似てるだろ」。

キアヌは誘拐話に乗ったと身を乗り出す。
青年は「灰かぶりはもういない」と言う。
「誘拐話はなかったことにしてくれ」と。
キアヌはそこである提案をする。
「人質はいらない。それでも身代金をとる方法はある。警察に乗り込もう」
キアヌはポケットから人の切り取られた指を取り出す。
「これで誘拐にリアリティがでる。」

テレビの向こうでは脱走囚の話題が取り上げられる。
嵐が近づいている・・・。





このお話、話的には上の第1部。
灰かぶりと郵便屋さんのお話(第2部)。
泥棒2人組、シドとミッキーのお話(第3部)。
青年と居候男とキアヌのお話(第4部)で構成されているんだけど
個人的には 第2部がいちばん好きですね。

夕方の海辺の家の屋根の上で
灰かぶりに絵はがきの内容を読む郵便屋。
会えない恋人に宛てた手紙。
風に吹かれて散らばる郵便物。

なんとなく物哀しさが漂っていて。



日曜日。
このお話のレビューを書こうと思ってたんだけど全然書けないで
今日まで来たのは
観終わった後、心につらさが残ったから。

つらさと言っても、この作品。嫌いじゃないのよ。
むしろ好きです。この作品。この世界観。

でもなんだろ?
作・演出のウォーリー木下さんは9月に観た『ナイトサファリ』の作者でもあり
一旦、劇団(劇団☆世界一団)を休団して
それでも約2年ぶりに第2期劇団☆世界一団としてSundayをはじめる心意気を限定ブログとかで読んでたからだろうか?

なんか簡単に感想なんて書けない気がして。
うまく言葉に出来ない気がして。

まぁ、結局うまく言葉には出来てませんけど・・・f^^ヾ。

それでも好きだよぉ~。この作品。
もしかしたら今年観たお芝居の中で一番好きなお芝居なのかも。



ただ1つ。
こんな作品をこのままずっと観続けたら、
この先、商業演劇とか映画とか、ちょっと観づらくなるんではないか?なぁんて思ったりした。

HEP HALL と小劇団と。
(小劇団と言ってもSundayは人気劇団!!
HEP HALLにあんなに座席並べてるのは初めて観ましたよぉ^^。しかも千秋楽は立ち見のお客さんもたくさん!)
この2つ。ほんと。多分。ものすごく麻薬な気がする。


最後に。

さっすが、千秋楽!!ということで
公演後の物販で ちくわ星人の衣装まで売られているのには正直ちょっと笑ってしまいました。
ブログ(?)によると 買っていったのは仲むつまじいカップルだそう。

いいカップルだね~☆。うらやましぃ~です^^。