夕焼け前の快速列車が君は大好きだった。
まるで私がナイフで
空を切り裂いているみたいでしょ?
暮れ行く空。
窓からこぼれるオレンジ色に
君は柔らかい髪を染めて。
優しさなら胸をえぐるように。
夕暮れが血の色という形容は私、好きじゃないの。
流れる血潮の体温は
もっと毒々しいほど私を切なくさせるから。
窓の外。
僕は流れゆく風景を観る。
それにみとれる君を観る。
夕焼け前の快速列車が君は大好きだった。
まるで私がナイフで
空を切り裂いているみたいでしょ?
想い出が。
想い出が オレンジ色に染まる今日。
まるで私がナイフで
空を切り裂いているみたいでしょ?