19時過ぎの夏の空は
いつの間にか暗くなっていて
つい、さっきまで
暑い。暑い。ってこぼしていた僕は
海辺の公園で
ふと気になって空を見上げた
もしかすると君もまた
どこか遠い街で
この空を見上げているかなぁ
それとも仕事帰りの列車の中で
振動に体を揺らされながら
文庫本でも読んでるだろうか
お互いの生活を尊重しあう誠実さを
君が主張する不可侵の範疇を
僕はずっと育んで生きていこうと思うんだよ
少し遠くの駅までの道を
潮の香りをわずかに含んで
夏の夜風が通り過ぎていく
その優しさが
なんだかちょっと君に似ていて
不覚にも僕は泣いてしまった
君の優しさと想い出が
僕が感じる夏の全て
懐かしさとか涙とか
愛がこぼれてしまわぬように
弱虫の僕は哀しくて
また性懲りもなく空を見上げた
星がでていた
都会の空なのに
ほんのちょっとだけ
星がでていた
君がいて 君が笑っていた夏
君がいて 君が笑っていた夏
やっぱり夏は改めて
大切な季節なんだと心に思った
君が好きだった