父親たちの星条旗
昨秋、公開された
クリント・イーストウッド監督の
太平洋戦争末期、硫黄島での戦いを日米それぞれの視点から描いた"硫黄島プロジェクト"。
これは、そのプロジェクトの第1弾。
アメリカ側からの視点で描いた硫黄島の戦いでありまして。
基本のお話は
硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げた写真を映された男達のその後の運命。
その写真は戦時中のアメリカ国民を勇気付け
男達は国内で"英雄"扱いされてしまう。
戦費が底をついていたアメリカ政府は彼らを国債発行の広告塔に仕立て上げ
その写真の裏側にある真実は政府の都合で封印されてしまう。
硫黄島での戦いにおいて、彼らは衛生兵であり、ただの伝令であり
多くの彼らの仲間達が壮絶な戦いの末に命を落としていた。
そんな彼らの"英雄"扱いをされることへの苦悩。
「本当の英雄は戦場で死んでいった仲間達だ。」
そんな演説も物語の途中にはあるけれど。
クリント・イーストウッド監督の言いたかったことは
実はもっと大きなことなんじゃないかなぁと思うのです。
物語の最後。セリフにて。
「英雄なんてものはいない。」
「英雄とは人が必要に駆られて作るものだ。」
「国のための戦いでも死ぬのは友のため。共に戦った仲間達のため。」
だったら、なんで死ぬ必要があるのか。
戦争というものはなんて無益な争いなんだろうか。
それが単なる過去の日本に対する批判としてではなく
それが単なる過去のアメリカに対する正当性の主張としてではなく
ただ単に"戦争"そのものに対する無益さの主張として
描かれていることに驚いた。
"戦争"では何も有益なものは生み出すことが出来ない。
明確な"戦争"そのものに対する批判。
名匠がハリウッドで、アメリカで
このような映画を撮ることはすごい意味があると思う。
"硫黄島プロジェクト"第2弾『硫黄島からの手紙』と併せて
ぜひ観なければいけない映画として、僕の中では心に残りました。
併せて観た『硫黄島からの手紙』。
これについては、また機会を改めて書こうと思います。
実際の戦争を知らない僕たちの世代だからこそ
この映画("硫黄島プロジェクト"2作) は絶対に観なくちゃいけない映画だと思いました。
※
併せて観た『硫黄島からの手紙』。
ほんとはこれについては、ものすごく圧倒的過ぎてうまく言葉に出来る自信がありません。
つたない言葉でもいいでしょうか?
また次回、書きたいと思います。 よろしくお願いいたします。
かしこ。