いやぁ、まぁ、ほんと久々に海堂尊さんの
田口&白鳥シリーズ(チーム・バチスタシリーズ)を読みました。
でも、ちょっと内容が難しすぎて、取っつきにくかったですねw(゚○゚)w
前作までと同様、キャラ立ちは良かったんです。
前作までの懐かしいキャラ、
自分はよく知らないけれど、おそらく海堂さんの他の作品には出てきているんであろう
お馴染みっぽいキャラ、
全くの初登場っぽい、初々しいキャラ^^。
とにかくいろんなキャラが出てきて、少しずつお話に絡むのだけれど、
この作品の最大テーマは、要は海堂さん自身の持論の展開ですよね。
それをある登場人物に語らせて、
物語中の厚生労働省の会議の中でぶちまけさせる。
体裁は一応、"小説"って形をとってますが、
中味は完全な国に対する提案書。
言っていることの内容も一応は理解できる。
でも。
でも、なんです。
私自身、正直、医療や医療行政については
全く持って明るくないので、
どこまでも鵜呑みにしていいかの判断がつかないのです。
海堂さんの主張の方向性が全て正しいの?
100%、その方向に則っても、問題なくうまく行くの?
語り部となった、ある登場人物の論理展開が
あまりにも全方位的に敵対しているため、
その主義、主張に、少し空恐ろしささえ感じてしまったのも事実なんです。
もう少し、うまい提案の仕方はないのかなぁ・・・。
田口さんでも白鳥さんでもなく
目立ちすぎたある人物について、
だったら、これは 田口&白鳥シリーズじゃなくてもよかったんじゃないの??
って気もします。
何しろ、作者が言いたいことの100%を
その人物が語っているんですもの。
ただ、確かにいろいろ思うところはあるものの
作品として面白くないか?と言われれば、
"それは違う。面白いことは面白い。"と答えざるを得ないです。
そうじゃないと、文庫本で上下巻ある作品を
ちゃんと最後まで読んだりはしませんって!!
シリーズはあと何作か続いていたと思うので(??2作??)
また続きもいつか、必ず読んでみたいと思います。
シリーズの分岐点的作品かな?
まぁ、こういう作品もありなんだと思います。
かしこ。
「僕は言いたい。医療費は、傷ついた人を治療するという本来の主旨に復古せよ、と。
そして、もしも医療費が本来の姿に還ったなら、その時は医療費で亡国したっていいではないか、と」
「たとえ国家は滅びても医療は必ず残る。医療とは人々の願いであり、社会に咲いた大輪の花なんです」