幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

『イノセント・ゲリラの祝祭』(海堂尊)

イメージ 1
 
 
 
 
いやぁ、まぁ、ほんと久々に海堂尊さんの
田口&白鳥シリーズ(チーム・バチスタシリーズ)を読みました。
 
 
でも、ちょっと内容が難しすぎて、取っつきにくかったですねw(゚○゚)w
 
前作までと同様、キャラ立ちは良かったんです。
前作までの懐かしいキャラ、
自分はよく知らないけれど、おそらく海堂さんの他の作品には出てきているんであろう
お馴染みっぽいキャラ、
全くの初登場っぽい、初々しいキャラ^^。
 
とにかくいろんなキャラが出てきて、少しずつお話に絡むのだけれど、
この作品の最大テーマは、要は海堂さん自身の持論の展開ですよね。
 
それをある登場人物に語らせて、
物語中の厚生労働省の会議の中でぶちまけさせる。
 
体裁は一応、"小説"って形をとってますが、
中味は完全な国に対する提案書。
 
言っていることの内容も一応は理解できる。
 
でも。
でも、なんです。
私自身、正直、医療や医療行政については
全く持って明るくないので、
どこまでも鵜呑みにしていいかの判断がつかないのです。
 
海堂さんの主張の方向性が全て正しいの?
100%、その方向に則っても、問題なくうまく行くの?
 
語り部となった、ある登場人物の論理展開が
あまりにも全方位的に敵対しているため、
その主義、主張に、少し空恐ろしささえ感じてしまったのも事実なんです。
 
もう少し、うまい提案の仕方はないのかなぁ・・・。
 
田口さんでも白鳥さんでもなく
目立ちすぎたある人物について、
だったら、これは 田口&白鳥シリーズじゃなくてもよかったんじゃないの??
って気もします。
 
何しろ、作者が言いたいことの100%を
その人物が語っているんですもの。
 
 
ただ、確かにいろいろ思うところはあるものの
作品として面白くないか?と言われれば、
"それは違う。面白いことは面白い。"と答えざるを得ないです。
 
そうじゃないと、文庫本で上下巻ある作品を
ちゃんと最後まで読んだりはしませんって!!
 
シリーズはあと何作か続いていたと思うので(??2作??)
また続きもいつか、必ず読んでみたいと思います。
 
シリーズの分岐点的作品かな?
まぁ、こういう作品もありなんだと思います。
 
かしこ。
 
 
「僕は言いたい。医療費は、傷ついた人を治療するという本来の主旨に復古せよ、と。
そして、もしも医療費が本来の姿に還ったなら、その時は医療費で亡国したっていいではないか、と」
 
「たとえ国家は滅びても医療は必ず残る。医療とは人々の願いであり、社会に咲いた大輪の花なんです」