幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

終戦のエンペラー

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終盤まではなんとか耐えていたのですが、
エンドロールで完全に寝てしまいました。
 
昔、ここの記事にも書いたとおり、
戦争映画はなぜか個人として、やっぱり観ておかなければいけないのかという義務感があるのです。
 
だから、この映画も時間を見つけて観に行ったのですが・・・
 
 
先の太平洋戦争の戦争責任は誰にあったのか?
つまりは天皇の戦争責任の有無について
マッカーサーの極秘指令を受けたフェラーズ准将が独自に調査をするというお話。
でもやたら、フェラーズ准将と知り合いの日本人女性とのラブロマンスが間に挿入されていて・・・。
 
まぁ、それはそれでいいんだけど、
いろいろと、なんか違うかなぁーと感じるところが多々ありました。
 
 
正直ね。
申し訳ないけど、アメリカ人監督には、日本の天皇制についての根幹部分は理解できないと思うの。
別に自分は日本を神国化、特別視するつもりも毛頭ないけれど、
天皇制といったら、もう日本では1500年以上も続いてきている国のあり方なんですよ。
それがいいとか悪いとかはここでは関係なくて、
1500年以上も続いてきている、いわばこの国のアイデンティティ
その国の方以外が果たして理解できるのかなぁ~と思って。
 
日本は無宗教だと言われるけれど、
それは中途半端な仏教と、世界宗教であるキリスト教イスラム教に属していないだけであって、
本当は 日本国宗教みたいな、神道を根幹とした一種の独特な宗教観で成り立っている国家だと思ってるの。
映画でも、そこは "mysterious"だと言われるけれど、
せいぜいそこまでの理解だけであって、
たとえば、僕らがキリスト教世界を 完全には理解できないように
(もう生まれ育った環境が違うので、自分はキリスト教世界を完全に理解するのは不可能だと思っている。)
日本人以外が、日本の思想・宗教観を完全に理解するのは無理なんじゃないの?って。
 
だから、(以前観たC.イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』はすごく共感するところが多かったんだけど)
今回のこの作品は、細部細部で"なんかちょっと違うなぁー"と思うところが多かったのかもしれないです。
 
 
天皇制は我々(日本国)の個性なんだと思ってる。僕は。
昔はたぶんそんな考えじゃなかった。
だから 5年後 同じ質問をされた時に同じ答えをするかどうかはわからない。
 
でも少なくても今は、GHQが天皇制(それも象徴として)を存続してくれてよかったと思ってる。
実はそれによって、やっと日本は日本であり続けられたのかも、
と そんなことさえ思ったりもするのです。
 
今回の映画で思ったことはそんなとこかな。
 
 
あと、自分は 近衛文麿はまったく好きな政治家ではないけれど、
映画は彼に、「フィリピン、マレーシア、インドネシアなどを奪ったのは、欧米諸国から奪っただけで、欧米諸国と同様のことをしただけだ」と言わせています。
その点だけは、外国映画でも 最近はそういうセリフを示す作品があるのだなぁーと少し意外に思いました。
 
 
最後。 先日なくなられた夏八木勲さんが、
遺作として この作品に出演されています。
日本は惜しい俳優さんをまた一人失いました。
安らかにお眠りください。合掌。