冬の公園通りには 暗すぎるほどの夜が降りて
耳元で ウォークマンが 君の好きな曲 弾き出した
曲の終わり <<ボタン
曲の終わりに <<ボタン
まるであの日の夕暮れみたいに
何度も 何度も 君を思い出したよ
だけど だけど どうしてなんだろう
覚えているのは
怒ったときの君の顔だけ
怒ったときの君の顔しか思い出せない
怒ったときの君の顔しか思い出せないんだよ
真っ白な画用紙に
単純な絵の具を滲ませて
「ありえない」って言ったあの頃
怒ったときの君の顔を
それでも きっと 守っていたから
冬の公園通り
ウォークマンが 君の好きな曲 弾き出して
白い息
僕は手袋をはずして
また <<ボタンを押した
怒ったときの君の顔を
何度も 何度も 思い出して
何度も 何度も 守っていたから