久々に読んだ小説は、アメリカ文学でした。
きっかけは、今年のGW。
舞台「欲望という名の電車」を観た時に
そういえば、アメリカ文学については、僕自身、これまで1度も触れたことがなかったなぁーと思ったの。
そして、持てる知識を総動員して
帰りの紀伊国屋で、早速 手に取った作品が
この アーネスト・ヘミングウェイ作の 『老人と海』 。
経歴は、やっぱノーベル文学賞だったんだよね。
うわっ。晩年は、猟銃で自殺してるのかー。(知らなかった・・・orz) とか思いつつ、
作品については、何の前知識もないままで読み進んでいったのです。
老人と、老人に寄り添う少年がいて。
でも不漁が続く老人に、少年の親は 少年を老人の元から離れさせ、
老人は一人、漁に出る。
そこから、長い3日間にわたる巨大カジキマグロとの闘い。
それに勝利した老人に降りかかる次なる試練。
簡単に言うと、漁師である老人と、
彼に迫りくる圧倒的な自然の雄大さ、
それに漁師としての老人の数日にわたる格闘を
力強い文体で切々と書き連ねた作品ではあるのですが、
もぅ その力強さが ハンパない!!
釣りして帰るだけの 内容としては たいしたことない出来事を
150ページ弱、それでも読者に読み切らしてしまうのは、
作品全体にみなぎっているパワーと、
ほんとは それとは正反対のプロットではあるのだけれど、
老いていく老人が持つ 少し悲しげなセンチメンタリズム、
それらの融合が成せる業なのでありましょうか?
もっと雑多で混沌として、
救いようがなく、差別と欺瞞に満ち溢れているのかと思ったよ。 ← どんな偏見だ(笑)
でも、この 『老人と海』 は
お世辞ではなく、勇気に満ち溢れた作品で。
一人で漁に出る老人。
小説の8割がたが、彼だけが存在する小さい小舟の上のお話で。
それでも内面描写はほとんどなく、
外面的な出来事と、その瞬間瞬間の老人の判断だけで物語が紡がれて。
それで、こんなにも圧倒的な筆致で
読者に迫ってくるなんて。
ごめんなさい。正直、なめてました。
やっぱり、後世に残る作品と言うものは
後世に残るだけの理由があって、
名作じゃないと、そうそう文学史上には残っていかないということ。
そういう意味で、やっぱ この作品は名作で、
読んだ後に、なぜかセンチなのに力強くなれるのは、
名作の名作たる所以なのかもしれませんね。
「闘ったらいいじゃないか」とかれははっきりいった、
「おれは死ぬまで闘ってやるぞ」
読んだ後に思いついたんだけど、
アメリカ文学、自身初! と思ったら、
サリンジャーの 『ライ麦畑でつかまえて』 だけは読んだことがありました。
文学史上に残る作品は、やっぱ誰もが人生のどこかあるポイントで
触れておくべき作品なんだと思うのです。
さて、次は何を読もうかなぁー・・・。 v^○^v ♪