幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

『老人と海』(ヘミングウェイ)

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久々に読んだ小説は、アメリカ文学でした。
 
きっかけは、今年のGW。
舞台「欲望という名の電車」を観た時に
そういえば、アメリカ文学については、僕自身、これまで1度も触れたことがなかったなぁーと思ったの。
 
そして、持てる知識を総動員して
帰りの紀伊国屋で、早速 手に取った作品が
 
確か、ヘミングウェイアメリカ(文学)だったよなぁー、と思いつつ。
確か、ヘミングウェイってかなり有名な文学史に残る巨匠だったよなぁー、とか思いつつ。
 
経歴は、やっぱノーベル文学賞だったんだよね。
うわっ。晩年は、猟銃で自殺してるのかー。(知らなかった・・・orz) とか思いつつ、
作品については、何の前知識もないままで読み進んでいったのです。
 
 
老人と、老人に寄り添う少年がいて。
でも不漁が続く老人に、少年の親は 少年を老人の元から離れさせ、
老人は一人、漁に出る。
 
そこから、長い3日間にわたる巨大カジキマグロとの闘い。
それに勝利した老人に降りかかる次なる試練。
 
簡単に言うと、漁師である老人と、
彼に迫りくる圧倒的な自然の雄大さ、
それに漁師としての老人の数日にわたる格闘を
力強い文体で切々と書き連ねた作品ではあるのですが、
もぅ その力強さが ハンパない!!
 
釣りして帰るだけの 内容としては たいしたことない出来事を
150ページ弱、それでも読者に読み切らしてしまうのは、
作品全体にみなぎっているパワーと、
ほんとは それとは正反対のプロットではあるのだけれど、
老いていく老人が持つ 少し悲しげなセンチメンタリズム、
それらの融合が成せる業なのでありましょうか?
 
もっと雑多で混沌として、
救いようがなく、差別と欺瞞に満ち溢れているのかと思ったよ。 ← どんな偏見だ(笑)
 
でも、この 『老人と海』 は
お世辞ではなく、勇気に満ち溢れた作品で。
 
一人で漁に出る老人。
小説の8割がたが、彼だけが存在する小さい小舟の上のお話で。
それでも内面描写はほとんどなく、
外面的な出来事と、その瞬間瞬間の老人の判断だけで物語が紡がれて。
 
それで、こんなにも圧倒的な筆致で
読者に迫ってくるなんて。
 
ごめんなさい。正直、なめてました。
 
やっぱり、後世に残る作品と言うものは
後世に残るだけの理由があって、
名作じゃないと、そうそう文学史上には残っていかないということ。
 
そういう意味で、やっぱ この作品は名作で、
読んだ後に、なぜかセンチなのに力強くなれるのは、
名作の名作たる所以なのかもしれませんね。
 
 
「闘ったらいいじゃないか」とかれははっきりいった、
「おれは死ぬまで闘ってやるぞ」
 
 
読んだ後に思いついたんだけど、
アメリカ文学、自身初! と思ったら、
サリンジャーの 『ライ麦畑でつかまえて』 だけは読んだことがありました。
 
文学史上に残る作品は、やっぱ誰もが人生のどこかあるポイントで
触れておくべき作品なんだと思うのです。
 
さて、次は何を読もうかなぁー・・・。 v^○^v  ♪