幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

有毒少年(ピースピット vol.13)

イメージ 1
 
 
 
ここのところ、なんやかやと忙しくて・・・。
しばらく、お芝居も観に行けてなかったんだけど・・・。
 
ABCホールは実は勤め先から
歩いて数分のところに存在していて・・・。
なんだか無性にお芝居を観に行きたくなり・・・。
 
金曜日。
お仕事をお願いしている方々が まだ 残ってお仕事をされてはいたのですが、
今日だけは、と断りを入れて・・・。
 
 
ほんとは、今回 観に行った ピースピット のお芝居を
ずっと心のどこかで気にかけていたのだ。
 
4年前に観た「SMITH」。
それはなんだか、関西の大劇団ではない劇団が出来る
最高のエンターテイメントを魅せていたかのよう・・・。
 
だからねー。
なんだかその思い出をあまり壊したりはしたくなくて
それ以来、あえて ピースピットのお芝居は 観てこなかったの。
 
でも、今回は そのピースピットが 初めて過去の作品の再演に挑む!
ということで・・・。
 
 
ロビーに着いてから
なぜか ちょっとドキドキした。
 
うーん。それは、観劇自体が 自分としては久しぶりの 1ヵ月半ぶりだったからか。
もしくは ピースピットのお芝居が 自分としてほんと久しぶりだったからなのか。
 
 
繊細なお芝居だったなぁー。と思うのです。
 
とっても繊細なお芝居。
 
有毒環境下でしか生きることの出来ない少年 ― 有毒少年 ― と
無菌状態の中でしか生きることの出来ない少女 ― 無毒少女 ― 
そして 地上に残された最後の人間都市  ― ヘブンズパレス ― の お話。
 
そこに、ヘブンズパレスに関わるいくつかの謎
― 12年前のある日を境に、空からは「太陽」が、人々からは「名前」が消失し、
さらに、人々の体はいびつに歪み、そして、その日から街に子供が一人として生まれることがなくなった ―
が 絡んで 物語を構成している。
 
どこか遠くから来た女性が
名前のない幽霊とお話をしている。
 
幽霊は、自分が調べた
そのヘブンズパレスに関する昔話を語り始める。
 
 
上演時間は、2時間40分もあったんです。
 
ふつーに考えたら、休憩なしで2時間40分の作品を
観続けるのは、ちょっとしんどい。
 
でも、正直、この作品は 全然テンション落ちなかったなぁー。
 
おもしろい。とか、笑える。とかだけじゃなくて
作品に流れる 繊細さが、
― フライヤーには、ダークファンタジーって紹介がしてあったけど、個人的にはすごくピュアな感じがした ―
作品に流れる デカダンな世界観が、
 
逆に心をぎゅっと掴んで
掛け値なしの名作へと この作品を昇華させていっているような、
そんな感じがとてもしたのです。
 
 
 
役者さんは、関西の小劇団を代表する方々が一同に集まって・・・。
 
怪盗・蝙蝠役の山浦くんは、やっぱり声がいい。
夜空の伊藤えん魔さんも、やっぱり声と怪演ぶりが素晴らしい。
 
その他、書ききれないたくさんの役者さん方も
作品の世界観を表す素晴らしい演技をしていた。
 
でも やっぱり 一番心の琴線に触れたのは
幽霊役の赤星マサノリ君(sunday)かなぁ~。 (最初はメイクで誰かわからなかったけど(爆))
 
 
スタジオジブリの・・・・・、
初期のスタジオジブリの ― ナウシカとかラピュタとか ― 
世界観が好きな人は、きっとこの作品も好きなはず。
 
繊細で 純粋で、
でも 芯は強くて、
世に傑作というものがあるとして、
この作品は 間違いなく 1つの傑作。
 
 
 
「孤独とは月の引力である。 ひとりぼっちだからこそ、互いに引き合うのだ。」
 
「僕は花が見たいです―――。」
 
 
 
やっぱり、ピースピット のお芝居は(久しぶりだったけど) とっても素晴らしくて・・・。
 
お仕事で迷惑をかけた方々には誠に申し訳ないけれど
個人的には このタイミングで この作品を観れて ほんとによかった。
 
この場を借りて、御礼と謝罪を。     ありがとう。 すいませんです。