大型連休の最後の日
昔ながらのラジカセに
イヤホンコードを差し込んで
君が好きなあの歌を
小さな小さなボリュームで、
聴いたんだ。
深夜2時
窓の外は雨が降っていて
豆電球にした部屋の明かりも
胸に染みたのは
あの日の君が
ほんとに愛しかったから
なーんて。ね。
言葉に綴るのは
ほんとは実はとても簡単なこと。
だ か ら。
「君を愛してる」
そんなちっぽけな言葉では
歪な愛は
寂しさに負けてしまう。
もし。
もしもだよ。
もし、幸せを
もらったり与えたり出来るのならば、
僕は、君にあげたいな。
今は知らない。
遠い遠い場所にいる
みえない君に。
遠い遠い場所にいる。
大好きだった君に。
大型連休の最後の日。
外は雨が降っていて、
イヤホンコードから流れてくるのは
君が好きだった あの歌
生きる喜びを 伝える あの歌。