色鉛筆でなぞっていく
幼い想い出はいつも
君の髪を塗り終えて終わる。
春の風。
火星の朝を少しだけ思い出しながら。
強く強く生きるには
さよならだって必要なこと。
勉学に励んでいた僕は
いつもいつも期待値の計算に明け暮れて
遠く遠くの春を
今も心に想い続けている。
桜。
桜吹雪の花びらが
君の髪にとまって落ちた。
桜。
照れてうつむく面影が
春を背景に揺らめいて消える。
桜みたいに気分屋の君へ。
桜吹雪ほどの愛情を注いで。
色鉛筆でなぞっていく
幼い想い出はいつも
君の髪を塗り終えて終わる。
いつも。
君の髪を塗り終えて終わる。