さよならという響きに
僕は耳をふさいで
春の訪れをただ眺めていた
冬は
「君の人生は僕のものではなく、もちろん君のものだ」
という当たり前のことを
享受するために必要な季節だったのかもしれない
穏やかな太陽の下では雪解けの音
静かに静かに時を刻む 優しさの音
よくも悪くも 心の中は
他人の僕にはわかりはしないから
せめて君を想う
この純粋な気持ちを
「恋だ 愛だ」 なんて
一過性の言葉では 片付けないでおくれ
さよならという響きに
僕は耳をふさいで
春の訪れをただ眺めていた
「冬は嫌いなの」
そう言って笑う君を たまには思い出したりして
世界に春が来れば
君の心にも幸せが訪れるような気がして