幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

新しいペンで書きたいこと

大型書店の文房具コーナー
息を潜めるように
プラスチック什器に放り込まれた
数十本の新品“印“のボールペン群。

そこに置かれた「試し書き」の
小さなメモ用紙には
いつか、誰かが書き込んだ
くだらない言葉があった。

"最後は、自分で決めるのだ!"


どのペンで書いたのだろう。
もしかすると
この新品を装う者の中でさえ
既に誰かに、僕のインクが奪われている!?

新品が欲しい。
試験なしでは、うまくインクが
滲まないかもしれないけれど。

完璧な新品 = インクは一滴も未使用の
完全無欠な新品をください。


って、お前は、馬鹿なのか。
あれは、俺達、ひとつひとつの
個体の能力を試すものではないというのに。

集団の特性を試す意識はないのかね。
ペン先の肌触り、お前のグリップとの絶妙な相性、手首が感じる確かな重量。

うまく書けない可能性?
俺達を舐めてもらっては、困るのですが。
AI様の厳しい審査をくぐり抜けて来た俺達に、
お前のちっぽけな懸念など
何の価値があると言うのか。

自意識過剰が聞いて呆れる。

しかも、お前の迷いごとは、
俺達、安価な精鋭に向けてのみ。

向こうの棚を見てみろよ。

高価なあちらさんは、
きちんと見本品が用意されている。

お前が、そこで震えながら「新品、新品」と声高に探しているのは、
俺達の値段が、お前の自尊心の限界値だからだ。

たかだか数滴のインクを失うことが、
お前の人生にとっての、最大の敗北なんだろ?

声を失い、たじろいだ僕は
脇の紙切れに助けを求める。

そこには、丸っこい、
だけれど、読みやすい筆跡で、
神の言葉が書いてある。

"自分を卑下しちゃいけないよ。
自分の価値は自分で決めるんだ!"


僕は誇りをもって
克己の想いを詩に書いてみる。
昨日のペンで。

うまくいかないことだらけ。

だけど、
ほら、昨日のペンが掠れゆくから、
意図した
戯言ですら書けやしない。

こんな、脈絡のない…。

虚勢を張って、僕は行くんだ。


ほら、間違えた…。