幻想的な日々。はまだ我の手にない。

演劇とテレビと音楽。お笑いと小説と映画。そして幻想的な日々はまだ我の手にない。 でもあなたのことを想ったり。あなたの幸せを願ったり。詩を書くのも好き。ほんとはもっと明るく楽しい人生を送りたいだけなのに。。。難しいです。男の子でも女の子でもそんな年頃なのかもしれません。

僕と君のプログラミング

学期始めのプログラミング授業でさ
教えてもらった正常終了する処理が
僕は どうしても 大好きなんだ。

単体テストを幾重にも繰り返し、
あらゆるバグを排除したからさ。
僕はこれを完全無欠の芸術作品だと思い込んでいる。

たかだか有限個のパラメーターを与えると
人手に負えない統計計算を施して
君との相性指数をはじき出してくれる優れもの。

一晩中、動き続けても。
一年中、想い続けても。
正常終了する、そんな処理。

僕は大好きなんだ。


最近、生物カリキュラムで先生が言っていたのは
遺伝子レベルで組み込まれている
個性や才能、それと運命のプログラムのこと。

この僕の、善悪にこだわる二進法的な思考だとか、
音感のない若輩者にはオカルトにしか思えない、君の絶対音感だとか。

もしくは、
泣ける映画の感涙座標だとか、
息吹く夕陽への憧れ、執着さえも。

もしかしたら、遺伝子レベルで定められているのかな?

"わかりあえない"ってことがあるのかな?


僕の芸術作品に"君の好み"と"僕の想い"の
パラメーターを組み込んだんだよ。

処理は正常終了したのにさ、
麗しい結果は示してくれなくて、

リズムを狂わせた僕の言葉の端々も
君が指摘した "半音ずれてる" 思いの丈も
僕と君の間に拡がる異常領域に、螺旋状にこぼれ落ちていく。

塩基配列が魔法の軌跡を描くように。


大学ノートに書き込んだ
「遺伝子の配列が"人の好み"を決定する」のなら、
僕と君が交わることは
どんな未来も"無い"ことでしょうか?

永遠に受け継がれていく君への祈りは
遺伝子レベルの"欠陥"でしょうか?


こんなコードの設計なんて、
たとえ、静かにコード0を返しても
僕は、好きにはなれやしないさ、
だから、
改ざんでも組み換えでもいい。

美しく澄んだ結果が出せないのなら
せめて、
"正常"だなんて言わないでもらえるかな。

だったら、僕はプログラミングする。

エラールーチンで、強制終了させるから。