僕はずっと眠っていたいな
スワイプを繰り返す発光体のその先で
僕らが湿った約束をする朝も
誰かが乾いた裏切りをする夜も
僕はずっとまどろんでいたいな
刺々しい拒絶を味覚なくしがみながら
彼らが騒がしくキスをする夏も
君がおとなしく泣きじゃくる冬も
あぁ、常識を越えた眩しい夢さえ
規格外の暗闇に消える
くすんだ季節のただの思い出になる
あぁ、熱烈に支持された神々しい誘惑も
愚にもつかない嘘になる
ありふれた欺瞞のただの古文書になる
僕はずっと覚醒しておきたいな
風まかせに垂れ流されたバラ色の薫り
彼らに激しく踏みつけられても
彼らに静かに蹴飛ばされても
あぁ、輝かしいはずの未来のために
不要不急の現在(いま)を生きる
徒労な社会実験のただの被験者になる
あぁ、承認欲求を見過ごした若者も
欠乏欲求を理解できない
手緩(ぬる)い金字塔を吹き抜ける風になる
さらっと真新しいベッドの色遣い
ザクッと甘いシャーベットの肌触り
僕はずっとこの世界で眠る
この世界で眠る